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UP / PETER GABRIEL
'02年発表。'00年の『OVO』を挟み、『US』から10年後に発表されたソロ作7枚目。
①を聴いて暗然とした。
結局この人はずーっと闇の中だったのだ。この1曲目の印象が強すぎて、私の中の本作の位置付けは「陰惨なアルバム」という印象が拭い去れない。
とはいえ、あまりに痛々しすぎようが、暗い闇に沈みこんでいくような感覚に襲われようが、アルバムの完成度はやはり高い。『US』の裏側が本作と言えるが、ネガティヴな感覚に満ちているわけではない。暗い部屋の中で、月光に照らされ鏡に映った顔は、やはり決然とした意思に満ちている。ピーターは救われてはいないが決して負け犬ではないのだ。
唯一⑥がやや皮肉っぽくてポップだが、この曲は是非みのもんたさんに捧げたい。人間、たまには反省することが必要だ。誰でもそうだが。