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VIRGIN STEELE / VIRGIN STEELE
アメリカのベテラン・エピックメタルバンドの1st。
音楽性は多少様式美の色合いを感じさせる正統派で聴いてみて意外に楽曲が良いのでビックリ!しました。なかなかイケます。(Gがけっこう良い)
ただヴォーカルがけっこう屁たれで覇気が無く、「アオン」と蹴られた子犬のようなシャウト(笑)を連発するのがかなり痛恨で、全体のクォリティーを著しく落とす原因となっています。
でもこのVoに慣れさえすれば(私は慣れました♪)不思議と愛着が出てくるんですねー
ふふ(にやり笑)。
MANOWARみたいな徹底的にドラマティックなメタルを志すジャンルをEPICメタルと呼ぶのですが、このバンドもその中の1つ。CIRITH UNGOL、MANILLA ROADらと並び、EPICメタルの元祖として一部マニアの間で崇められています。
本作は82年発表の1stアルバム。邦題は確か「危険地帯」だったと思います。で、内容ですが...これはマジで危険地帯で、とても一般リスナーにはオススメ出来ません(笑)とにかくヴォーカルが酷すぎです。歌えてるトコは歌えてるのですが、「キャン!」と甲高く鳴くシャウトが余りにも情けなく、浮きまくっているのです。最初聴いた時HELICONを連想しましたが、実際HELICONの数倍は奇妙です。楽曲アレンジも甘く、安っぽすぎ。もの凄くBな内容です。
VIRGIN STEELEというカッコイイバンド名、上半身裸で剣を掲げる勇ましいメンバーフォト、何だか雰囲気の良いジャケットアートにかなり期待をしていたのですが...こりゃダメだぁ(笑)
しかしクラシックを取り入れた「MINUET IN G MINOR〜DANGER ZONE」、バラード「STILL IN LOVE WITH YOU」、ソロで頑張る「CHILDREN OF THE STORM」あたりは、詰めの甘さが目立つものの、なかなか良い線行っています。基本的に危険地帯なのでB級好きな方以外は手を出さない方が良いですよ(笑)
このアルバムは1曲目が素晴らしい!
個人的にCIRITH UNGOLより好きかな
1981年末制作の1stアルバム。元々はバンド結成のわずか3週間後にデモとして制作されたものなので、演奏・サウンド・楽曲の練りはまだまだ発展途上。
「80年代のマイナーメタルにしか興味がない!」あるいは「ギターのジャック・スターのファンです。ジャックが参加してるアルバムを探してここに辿り着きました」
という経緯でないならば、素直に他のアルバムから入門するのをオススメする。
アルバムは、デヴィッド・ディフェイのキーボードによるバッハの「メヌエット ト短調」(本当の作者はバッハではないらしいが)で幕を開ける。
(デヴィッドの姓の表記はデフェイス、ディフェイズなどともされるが、2nd収録の音声インタビューで「ディフェイ」と発音されていたので、これに統一する)
しかし、アルバム全体を聴けば劇的な場面はむしろ少ない。
基本的にはワイルドなギターリフが反復される、ドライヴィングなハードロックで、時にレイドバックしたムードやZEP的なリフ回しも現れている。
隙を見つけてはクレイジーなギターフィルを入れてくるジャック・スターの仕事っぷりが個性となっている。
ただ、それでもアルバムのハイライトとなっているのは、数少ない、劇的な方の曲だろう。
7曲目のChildren of the Stormは曲の骨格は前述のロックスタイルだが、メロディや細かなアレンジの部分がドラマティックで、他とは一線を画した名曲となっている。
泣けるメロディの、バラード的な 6.Still in Love with You は佳曲。ジャックの破壊的なギターソロだけを収録した 9.Pulverizer も耳に残る。
1曲目のDanger Zoneはロック系の曲だがメロディも分かりやすく突進力があるので、これも好印象だ。
バンド名を冠した 11.Virgin Steele はダークでエピカルなギターリフを配したメタル曲だが、メロディの愛想のなさも相まって、ちょっとオススメしにくい。
その他の曲に関しては、メタルとして聴いたら評価は厳しくなりそうだが、70年代ハードロックの延長と見なせば、なかなかおもしろく聴ける。
デヴィッドの歌はまだ未成熟だが(カンフーシャウトよりも中音域の力の無さやビブラートの多用の方が気になる)、
ギターの暴れっぷりは見事で、カルトなメタラーから注目される要素は確かにある。だが彼らのトレードマークとなるキーボードは本作ではほとんど活躍していない。
CD化に際し、ミックス違いを4曲、当時のデモを3曲(うち2曲は2ndの曲、1曲はキーボード大活躍の未発表曲)、即興的なピアノのソロ曲(当時のアウトテイク)を追加。
9歳までフランスで過ごし、その後ニューヨークで育ったジャック・スターは、フランスでTRUSTの始動にも関わったという。
その彼がNYに戻ってきてバンド結成に奔走する。
一方デヴィッドは2年制の音楽大学を卒業したばかりで、ヴォーカル募集広告の「当方、ツアーの予定あり」というウソに騙されてジャックに連絡。
そこで両者は会うことになり、デヴィッドは実家の地下室にジャックらを招くと、
キーボードの弾き語りで「Child in Time」「No Quarter」「Catch the Rainbow」を熱唱。そして別の機会に今度はジャックらの演奏をチェックする。
デヴィッドはベースのケニー・ニコルズを気に入らず(ケニーは後に精進してLAガンズに加入とのこと)、代わりにデヴィッドの大学の同期のジョー・オライリーが加入。
よくジャックをバンドの創始者とする見方があるが、実際はどうなのだろう?
ジャックが連れて来ていたドラマーのジョーイ・アイヴェイジアンは18歳であり、デヴィッドはオーディション前にジャックらの演奏は一度も聴いたことがなかった。
VIRGIN STEELEというバンド名がどの時点で付けられたかは不明。
ギタリストでコンポーザーのジャックがバンドの中心人物であったのは事実だが、「VSは元々はジャックのバンドだった」とする見方は正確ではないだろう。。
1981年10月にバンドが完成し、その3週間後にデモを作成(レコーディング1週間、費用は1000ドル)すると、それを聴いたシュラプネルのマイク・ヴァーニーの手引きで
コンピレーション「US METAL-II」に「Children〜」を提供、METALLICAやQUEENSRYCHEのメンバーからもファンレターを貰うほどの反響で、
デモとして制作されたものが結局1stアルバムとして発売されることになった。
自主制作コピーですでに1万枚以上売り上げていたというが、MUSIC FOR NATIONS第一弾アーティストとして1982年12月に正式にアルバムデビューするのであった。