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ダブルダブルチョコレート / すかんち
1995年発表の6th。最終作であり、2枚組である。
ZEPの「PHYSICAL GRAFFITI」を彷彿とさせる拡散の美が魅力的な(恐らく意図的であると思うが)アルバム。これといったキラーチューンはないが、伸び伸びやりたいことやってるなぁと微笑ましくなる。ZEP的な曲、ウリ・ジョン・ロート的な曲、QUEEN的な曲が今回はかなり顕著。
そんな中でもシングルにもなった2枚目の④は、そのキャッチーさと久々に炸裂したキーボードの音色、華やかさ(使い方)に思わず膝をたたくほど嬉しい往年のすかんちを思わせる傑作。
この異常なほどのマニアック体質はローリーという男の根幹でもあるわけなんだけど、
その評価は、好きと嫌いの両極端に分かれて、グレーゾーンというものが無い。
その常軌を逸した偏執的な志向はアーティストとしては向いているが、いかんせん
日本には、それを受け入れるマーケットは残念ながら無いと言っていい。
国内ロックシーンの中では完全にマイノリティだ。
ポップで分かりやすい音楽をやっていても、そこに感じられる異端の体臭を感じると
日本人はビックリするぐらい距離を置きだす。
業界ではウケたが一般のマジョリティを得る事ができなかったのは、このマニアックな
体質が原因なのだろう。
本ラストアルバムは、そのマニアック体質が余すところ無く発揮された名盤である。
相変わらずポップだ。しかしそれと同時に強烈にロックだ。この作品について、
多くは語らない方がよさそうだ。ただただ多くの人に聴いてほしいと思う。