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教育 / 東京事変
満を持して発表された東京事変の1st。
パッと見で分かる、椎名林檎名義のアルバムとの共通点は、曲名が1〜12で対称、クセのある曲名など。
今回は演奏時間が5以下の数字だとか新しいルールがあるw
そういう事に気を遣っている所から、東京事変のポジションは以前の椎名林檎としてのソロ活動の延長線で、
違う方向性を持つバンドでは無い、と言っている気がする。
個人的な印象としては椎名林檎がバンドというガードの中に入って守りを固めた感じ。
林檎が今までの3枚で「やる事やり切ってしまってる」感じは誰でもあると思う。
正直2nd、3rdは1stとはメッセージやアプローチは違うものの曲のパターンや自己開発について新しい物は無い(と思う)。
完成度を上げようとして複雑にしてるだけで、今回も特に新しいものは無い。
邪推すると椎名林檎はソロという「自分の引出しを空けて披露していく行為」に線引きして、綺麗なうちに保存したのではないかな。
二番煎じに厳しいソロ活動を終りにして`個人の限界'を世間に測られないバンド活動に転向した。多分当たっている。
今までの椎名林檎は総料理長でこれからは調理場のスタッフ(という建前だがやってる事は同じ)の椎名林檎。
でも権威を守ることも裏返せばファンの為だし、新鮮な舞台装置を求めているんだということも分かる。
事実今回は、かなりロックしてる。
いろいろ書いたけど、表現活動にこだわりを持ち奇を衒わない賢い椎名林檎が好き。
新しい驚きは無いけどやっぱりいい音楽。
バランスのよい佳曲、名曲がそろってる。
バンド感が強いハードなアルバム。勢いがあっていいです。
ハードです。
やっぱりジャジーな林檎よりハードでロッキンな林檎を、
聴衆は求めている・・・と、理解した上で作られたかのように。
でもそれが悪いかと言えばそんなことは無い。
濃密なロックが伸びやかにしなやかに力強く鳴らされた、
このアルバムは、林檎ミュージックの歴史が仕切り直された
ような鮮やかさでもって、"僕達"を魅了して止まない。