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閉ざされた町 / カルメンマキ&OZ
これより以外の作は歌謡曲テイストが濃いと感じましたが、コレはヘヴィなロックサウンドといった感触。
10分を超えるタイトル曲がメチャ濃いですねえ。ヴォーカルの中音域より上の歌いまわしや緩やかに揺れるシャウトにユーライアヒープやディアマンダガラスのような狂気じみたテイストを感じます。そしてこのギターとベースが妙にブラッディで・・濃いなあ。
フラワー・トラヴェリン・バンドもそうですが洋楽サウンドをベースとしつつもそこから自分たちのオリジナルを生み出そうとする姿勢が強く感じられる、そこが素晴らしいと思います。
単に音の重さだけでなくドロドロとした情念のようなものも含めて精神的に重いという感覚、
それはタイトル曲に集約されています。
「日本のハードロックの生みの母」 とも言うべきカルメンマキ&OZ、もっと多くの人に聴いてもらいたいです。
70年代ハードロックの影響を受けた上で実験的姿勢を感じます。
スローでへヴィな曲が中心だが、時折みせる美しい哀愁感に耳を惹かれます。
でも伸びのある歌唱、高く響くシャウトこそがこのアルバムの色を決定的なものにしてるのかも。
カッコいいオープニング曲も好きだけど、やはり特筆すべきはタイトル曲、濃厚ですな〜。
デビュー作『カルメン・マキ&OZ』が、当時のハードロック・バンドとしては異例の10万枚以上を売り上げる
好セールスを記録した勢いに乗り、ロサンゼルスで4ヶ月かけてレコーディングされた、'76年発表の2ndアルバム。
わざわざ海外まで出掛けて行った成果は、確実に作品のクオリティに反映されていて、サウンド・プロダクションの
向上はもとより、プロローグに始まりエピローグに終わる、起承転結を意識したドラマティックな全体の構成、そして何より、
楽曲から歌謡曲的な「臭み」が抜け、メロディがスッキリと洗練された事で、メジャー・アクトとしての凄みすら感じさせる
作風に仕上がっている。(あの歌謡曲テイストを愛していた身には、ドロッとした暗い雰囲気が薄まってしまった点は残念だけど・・・)
今回は前作に比べると、ゆったりとしたテンポの楽曲が多く並び、Voの圧倒的歌唱能力を前面に押し出した
メロディ重視の作りとなっていて、これは更にポップ化が推し進められる次作への伏線と取れなくもないが、
少なくとも本作の時点では、ハードロック然としたエッジも、ドラマティカルな大作主義も健在。
徐々に盛り上がっていくイントロダクション①を経て、パワフルにスタートする勢いに溢れた②、“火の鳥"のタイトル通り、
飛翔感と雄大さを漂わす④、泣きのへヴィ・ブルーズ・ナンバー⑤といった楽曲も強力なれど、
やはりトドメはアルバム・タイトル・トラックの⑥。破壊的に刻まれるリフ&リズムに乗せて、
Voが(女性だけど)雄々しい歌唱を響かせるタメの効いた重厚なヘヴィ・チューンで、中盤に用意された叙情パートが、
まるで曇天から差し込む日の光の如き美しさを演出する、このバンドを代表する名曲の1つ。
舶来志向のメタル・ファンにも、十分アピールし得る魅力を備えた名作です。