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DISCIPLINE / KING CRIMSON
メタルクリムゾンが好きだ。だが、このアルバムも好きだったりする。
『RED』からガラリと雰囲気を変えた本作の特徴は、神経症的に細かいピッキングでプレイされるギターにある。「ミニマム・リフ・クリムゾン」と勝手に呼ばせてもらっている。
'81年の発表当時は「これはクリムゾンとは言えない」とかいう意見もあり、クリムゾンの復活が諸手を挙げて歓迎されたわけではなかったらしい。
が、しかし。これはまぎれもなく彼らにしかできない音楽である。個人的には①、②、⑤が気に入っている。
本作は続く『BEAT』、『THREE OF A PERFECT PAIR』
とともに3部作を構成しているが、俺が思うに3部作というよりは"『Discipline』のボーナストラックでもう2枚アルバムをつくりましたってなところだと思う。
あとの2枚はともかく(といいつつ嫌いではないんだけどね)、本作は間違いなく傑作だと思う。
80年代KCの幕明けアルバム。御存知、KC3大アルバムのひとつ。
タイトルが暗示するように、何やら細かい音の綴れ織り的な音楽が展開されていく。
クラシック畑のヴォキャブラリーであるミニマム・ミュージック、
東南アジアに起源のあるガムラン、ケチャといった影響を感じさせる音創りになっている。また、ヴォーカルがエレファンティシティーになっているのは、過去のKCからすると最大の違和感にとらわれて仕方なしである。
しかし、本作は何と言われようと名作の部類に値すると思う。
一歩間違えると難解になり勝ちな方向性の音楽を、屈託なくポップに聴かせる。
それを簡単にやってのけているだから。凄い!
聴けば聴くほど味のある内容であると個人的に思うけど、どうでしょうか?
↑聴けば聴くほど味がわかってくる。…まったくその通りですね!特に2曲目のフレイム・バイ・フレイムのすばらしさには脱帽。長い間キングクリムゾンといえばクリムゾンキングの宮殿しか知らなかった自分が恥ずかしい。自分はこのアルバムが出た年の生まれだけど、当時こんな質の高い音楽があったとは…。
確かにそれまでのCRIMSONとは全く違いますが良い作品だと思います。フリップ氏がCRIMSONの3大傑作の中にこれを挙げるのもわかる気がします。
とにかく無類のポップセンスを発揮しています。とても複雑なことをやっているにも関わらず、ポップ性を失わず且つ自然に聞こえるのはもはや超人の域に達している証し。
聴けば聴くほど良さが分かり、長く付き合えるアルバムだ。
宮殿やREDといった名作群も勿論好きだが、80年代クリムゾンもかなり好きだったりする。
難解な曲をブリューのVoとキャラでポップに聴かせてしまうあたりはさすがというか、やはり
80年代という時代がこの音を作らせたのだと思う。自分はあまり技術的に深くつっこんで
音楽を聴くほうじゃないので、よくいるクリムゾンマニア諸氏のようにポリリズムがどうたらだの
ここは何分の何拍子で、なんて聴き方はしない。そんな技術論云々といった難しい聴き方をしなくても
楽しめるこれもまた過去の名作アルバムに劣ることの無い傑作アルバムだと思う。
81年発表。
メンバーはFripp、Brufordに加えてAdrian Belew(Gt & Vo)、Tony Levin(Ba)。
既出のKCサウンドとは全く違う方向を向いた音楽性だが、なかなかおもしろいアルバムだ。
悪くいえば首尾一貫していないノー・コンセプトの作品ともとれる。
しかし、これは前作「RED」以来ずっと温めてきたアイディア並びにブリューらがKCに持ち込んだ新風の顕れでもあるのかもしれない。
Frame By Frame、Indiscpline、The Sheltering Skyが好き。
初めてリアルタイムで聴いたクリムソがこれ。それまでに後追いで「宮殿」等は聴いており、すっかりクリムソ教信者になっていたが、さらなる感動が待ち受けていた。他に数多ある再結成バンドと比較してみるがいい。再結成アルバムで、あの伝説の最盛期に引けを取らない作品を作り、新たなる伝説にできるのはクリムソだけである。どうしたらこんなスゴイアルバムが作れるのか、しかもそれまでに、すでにロック史に大きく残る偉業を成し遂げているにもかかわらずである。我々凡人には計り知れない天才の仕事という物をまさまさと見せ付ける奇跡の名作だ。
チョッパー 2004年10月20日(水)19時55分
ポップな印象とは裏腹に緻密な音楽理論に支えられた音楽なのだろうけど、個性的なのに素晴らしく良質なポップ/ロックアルバム。
74年以前のクリムゾンは評価しても、「ディシプリン」期のクリムゾンは評価しないということもあるみたいですが、この時代の彼らも素晴らしい。
自分は84年のライヴを収録した「アブセント・ラヴァーズ」を聴いて、この時代のクリムゾンもいいなーと思いました。
より攻撃的で充実した演奏が繰り広げられているのでそちらも是非。今作の楽曲はライヴですごく映える楽曲です。
私は後追いですが70年代のアルバムから順にクリムゾンを聴いてきて、最初これを聴いた時はさすがに強烈な違和感がありました、 「スターレス」 で荘厳に幕を引いたのが復活したら 「エレファント・トーク」 になってた訳ですから (笑) そんな訳で本作は長い間スルー状態でした。
ところがある時何気なくこのアルバムをかける気になって聴いてみたらこれがとても良かったのです、 「ゼラ・ハン・ジンジート」 なんか以前は一番拒絶反応が強かったのに今では本作で一番好きな曲になりました。
70年代に固執する人も気持ちは分かりますが先入観を取り去って聴けば "迷盤" が "名盤" に変わること請け合いです。
夢想家・I 2004年12月28日(火)23時23分
最初、フリップはこのバンドを「ディシプリン」と呼んでいた。雑誌に「キングクリムゾン」と改称した、といきなり発表が載っていた。周囲のプログレ信者はこの世の終わりのような顔をしていた。トーキングヘッズとかやっていたブリューがいるのだから、気持ちは非常にわかる。ただ、各人のプレイに還元して聴けばやっぱりブラフォードの音、フリップの音だった。④なんか旧クリムゾンがプレイしても変じゃないし、「実を言うとこの作品は『太陽と戦慄パート○○』なのだ。」と経済学者みたいな口調でフリップに説かれたらまず何の疑問も感じず納得する。そして現在に至るフリップの音楽的脈絡の中で見ると、このアルバムにはものすごい必然を感じる。①これ以前の作品②最近の作品③そして当作品、という順で聴くと、わかるのである。そしておそらく、タマネギの皮を膨大な時間を費やして剥いていくように、フリップの表現の核心部分に、今のクリムゾンはようやく近づきつつある。そういった意味で非常に重要な作品。
これは日本では評価低いね。アルバム全体の完成度は
70年代と同じぐらい優れてるのに・・・
今聴くとかなり面白いアルバムだし、KC好きな人なら買い。
「INDISCIPLINE」は超名曲。他も捨て曲無しの傑作。
なんていうか , 面白いと思う . 路線は違うものの酷いアルバムじゃあないな . フィリップ先生は相変わらず“音を磨り潰している"し .
70年代のKCとは別物と考えた方がいいでしょうね。
内容も悪くないと思うし。
前半3曲はわかりやすいしいい曲だし、④⑤も次第に好きになりました。
でも最後のインスト2曲は少々退屈に感じてしまいます。
もっと聴き込めば良さがわかるのかもしれませんが。
実験的な要素もあって、面白いアルバムだと思います。
ブリューを加えたことによりフリップが意図したのはニューウェイヴの
要素をクリムゾンに融合させる実験であった。その試みは100%とは
言えないまでも成功した。80年代に入り他のバンドがMTVサウンド
化していく中でぎりぎりのテンションを保ちえたのはフリップの戒律と
ブルフォードの犯しがたい存在感だ。