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TUSCANY / RENAISSANCE
イタリアの一地方の名前を冠したこの17年ぶりの再結成アルバムは、落ち着いたたおやかさを感じさせる作品となりました。
メンバーはアニーさん、ダンフォード、サリヴァンの往年の人たちと、CAMELやMIKE OLDFIELDで活躍した名手ミッキー・シモンズです。そして嬉しいことにジョン・タウトがゲスト参加として3曲でピアノを弾いてくれています。キャンプのやんちゃなベース(笑)がないのは残念ですが、ダンフォードの書いた曲をアニーさんが歌えば、立派なルネッサンスの作品と言えるのではないでしょうか。
アルバム全体の感触は『四季』と『碧の幻想』をブレンドしたようなのどかで、でもどこか寂しさのある音です。『シェヘラザード夜話』や『お伽噺』あたりの背筋のピンとするような荘厳さはありませんが、その敢えてポップに徹した作風はルネッサンスが良い意味で成熟した証しでしょう。ワールド・ミュージック的な癒し感覚もありますし、一曲一曲に情緒を感じることが出来ます。
楽曲としては「Pearls Of Wisdom」と「One Thousand Roses」はとても良い曲だと思います。とりわけ前者は一発でタウトだと分かるピアノが「あの」ルネッサンスの面影を感じさせてくれる珠玉のナンバーです。この2曲は往年のルネッサンスの楽曲にも引けを取ってないのではないでしょうか。
ちなみに裏ジャケの写真のサリヴァンが寺尾總そっくりです(笑)。
このアルバムを聴いているとその寺尾總じゃないですが、とても優しい時間が流れます。
良く晴れた休日に、紅茶でも片手に聴いてみてください。ゆったりした気持ちになれますよ。