CDタイトル↓をクリックするとチェックリストに入ります。
発言者の名前をクリックすると、その人の他のCDレビューが読めます。
(旧形式-更新停止)
PENTAGRAM / GORGOROTH
ノルウェーの老舗ブラックメタルバンドのデビューアルバム。当時MAYHEMタイプという触れ込みで出てきましたが、MAYHEMっていうより、DARKTHRONEに近いですね。スラッシュ色は薄いですし。ただ、ああいう薄っぺらい音を売り物にしてたわけではなく、最低限ながらまともなサウンドプロダクションで作られていますので、その辺の心配はこのアルバムではないと思います。
まるで邪悪な赤ん坊(?)が駄々をこねるようなヴォーカルが凄いです。これだけで病性200パーセント。楽曲は全てツタツタの爆走系で、しかもリズムパターンが恐ろしく一本調子なため、楽曲の判別には熟練を要します。よってブラック初心者向けではありませんが、曲そのものはどれもカッコいいので、GORGOROTHを語るならやはり必ずおさえておかねばならない一作でしょう。
う〜ん、最近ブラックメタルばっかり聴いてるから、感性が相当ずれてきてるのか…と言い訳して率直に書きますけど、私は、スラッシュの隣にMAYHEMの1stを置いて、その隣にDARKTHRONEを置いたとすると、この1stはスラッシュとMAYHEMの中間に置けそうに思えます。
少なくとも「TRANSILVANIAN HUNGER」のようにリズムパターンが全部同じなんてことはないし、「DE MYSTERIIS DOM SATHANAS」のような呪いじみた不気味さもない(ちなみにブラストをウリにもしてない)。曲はおおむね3分台で、展開も起承転結に則っているし、ボーカルを脳内で変換するとスラッシュメタルにならなくもない、と思うんですけど…「A BLAZE IN THE NORTHERN SKY」と比較してもこちらの方が恐ろしく真っ当にメタリックです。素直に格好良いと思います。CARPATHIAN FORESTのようでもある、といって嘘にならない。
ボーカルは、演技力もクソもない一本調子なCRADLE OF FILTHのDaniという感じで私の好きなタイプ。このどうしようもなさが全くもってやるせないです。何故にこんな声で歌わにゃならんのか、と問われると、「それがブラックメタルだから」としか答えようがない。
94年発表の1st、ということはMAYHEMの1stと同年すね。