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THE SHADOWTHRONE / SATYRICON
SATYRICONというと、何故か"NEMESIS DIVINA"以降しかあまりに認識されていない気がしてならないのですが…その前のものも、実は大傑作だったりするのです!というわけで、ここで紹介するのは彼らの2ndフルアルバム。ギターはかのEMPERORのSamoth君です。その内容といったら、なにを隠そうヴァイキングメタル!!"Nemesis〜"以降で顕著なファストビートは抑え目ですが(その代わり、ここぞというところで存分に炸裂します)、豊かな曲展開により、大仰な世界を丁寧に描き出していきます。ある意味、プログレ的な要素も強いのかも。
ただし、昨今のヴァイキングメタルと違い、非常に辛口です。露骨なメロで媚びてくるようなことは一切ないので、その辺は事前に踏まえておくべきかも。しかしその上で、まさにSamoth君ならではといった荒涼とした旋律は、心を強く捉えてくれるものがありますし、なによりやってる事自体、Nemesis〜以降よりもこの頃の方が面白かったんじゃないかなあ…と思うのは僕だけ?。
いずれにしても、断言させていただきます。これを聴かずにSATYRICONを語るなかれ!
サチリコンの2nd。ネメシスとはぜんぜん違う音楽性です。
暗いです。あぁぁひたすら暗い・・・・。とっても暗い。ブラックメタルとは
何か?を教えてくれるアルバムです。この時点ではまだフロストの鬼ブラストほとんどないですし、アレンジも単純です。しかしとってもよくできたアルバムです。暗い部屋で一人こもってきくにはもってこいです。3rdを聴いた後にこれに手を出す人は別バンドと思っておいたほうがいいでしょうね。
ちんちん丸 2005年8月17日(水)16時45分
一部では隠れた名盤ともいわれる2nd。実際にこれを最高傑作に挙げる方もいますね。
3rdよりも暗く、音もややチープ(ドラムなど)でアングラ臭が強いですね。
ギターもジリジリしたブリザードリフです。たまに入る不穏なキーボードもいい感じ。
Satyrのがなり声も物凄く気合入ってて邪悪です。1曲目の冒頭の呪文のようながなり声にはやられました。
全体的にミドルテンポが多いです。しかし2曲目や3曲目などのブラストはなかなか凄いです。今に比べるとさすがに劣りますが、それでも破壊力、疾走感抜群です。
Frostはこの頃から凄かったんだな〜と思いました。
3rdとはだいぶ違いますが、是非聴いて欲しい一品です。
94年発表の2nd。
メロディックブラック/トラッド寄りブラックとしての支持の厚いこのアルバムですが、
私はBURZUMとは違う方法論で、ブラックをアンビエントに接近させた作品なんじゃないかと
思ってます。特にギターの、時にノイズ質で音像に靄をかけ、催眠的な雰囲気を強めたり、
時に中世的メロディで直接情景を描いたりなど、バンド音楽としてのグルーヴは二の次で
情景を描く事に専念している音色にそれが顕著。
早い話、Satyrのソロで中世的な世界観を描き出すシンセアンビエントのWONGRAVENを、
描く情景はそのままにブラックの音像で表現した感じ。最近VELVET CACOONやALCESTなど、
ブラックのノイズ質を利用してアンビエントやシューゲイザーに接近するバンドが
認知されはじめてますが…私はBURZUMがこのムーブメントの源流にいると思ってたんですが、
初期SATYRICONもこのシーンに強い影響を与えてるのかもしれませんね。
しかし、このアルバムが真に魅力的なのは音楽性が独創的なだけでなく、きちんと
メロディックブラックとしての質の高さも両立させていることでしょう。WONGRAVENでも
大いに聴かれた中世的なメロディはやはり素晴らしいし、要所でのFrostのブラストも
迫力がある。以前DIMMU BORGIRが初期のアルバムをメタリックな音で再録してましたが…
私的にはSATYRICONにこのアルバムでそういう試みを演って欲しかったです。
「Dominions of Satyricon」辺りは最近のライブでも演るみたいですが、せめてライブ盤を
出して欲しいなぁ…シングルのカップリングじゃ物足りないです。
ブラック関連のアーティストのインタビューなどを読むと、ブラックは最近のものよりも
昔のものを好んで聴く人が多いみたいですが…今のブラックのシーンも好きだけど、確かに
この頃のブラックメタルの作品って不思議な魔力みたいなものが宿ってるものが多いと思う。
感性なのか計算なのか分からないのは前作同様なんですが、Satyrが天才である事を裏付ける作品だと思います。
先にサティアーのサイドプロジェクト、Stormを聴いていたからそう思えるのかもしれませんが、本作のメロディはノルウェー民謡に近いものがあります。特にM7のインスト。これもサティアーの故郷愛の表れなんだろうか。
要所要所でキーボードが入ったりと、3rdにも通じるシンフォニックさはありますが、美しさというより厭世感を際立たせているようです。あるいは他を寄せ付けない磁場を生み出しているような。
でもこのメロディの流麗さには寄せ付けられてほしいなぁと思ってしまいます。フロストのブラストが少ないからというだけで避けて通るのは勿体なさ過ぎる一枚です。