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BRAND NEW MORNING / MAGNUM
2004年8月30日発表の新作です。前作「Breath Of Life」はちょっと明るい曲が多かったですが、今回は「陰」のあるヨーロッパ的な作風が復活しています。「劇的度」は初期ほどではありませんが、そこそこキーボードの目立ってます。言うなれば「Sleepwalking」に近い作風。
オープニング曲にしてタイトル曲「Brand New Morning」はスローですが緊迫感があって久々にお気に入り曲になりました。ちなみにMajestic Rockより日本盤も出ています。ボーナス曲「Dreamland」を追加収録していますので、買うなら絶対に日本盤を買って下さい。歌詞・対訳に加え、BURRN! 藤木氏による解説付き。
音質もなかなか良好ですよ。プレス数は決して多くありません。お早めに!
Amazon.co.jp に現在1枚在庫あり。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002XNZX4/qid=1113498546/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/250-8560333-7649866
04年発表の12thスタジオアルバム
復活第2作目。正に上記の島津宣久さんが仰るとおりの内容で『Sleepwalking』に近い作風ですね。確か
にロックな楽曲では、前作でのゴリ押し感が後退し、重厚且つ・憂いのあるナンバーに変化していますし
ロック以外の楽曲についてもAOR的な`売れ'を意識させない彼ららしい叙情性も感じますし、良い意味
で地味な(より英国的という意味で)方向に進んでくれた1枚ですね。
結局、ミッキー・バーカー(Ds)の復帰が叶わなかった為、前作『BREATH OF LIFE』発表に伴う復活ツアーに引き続いて、
THUNDER(当時は解散状態にあった)のハリー・ジェイムズのヘルプを仰いで制作、'02年にリリースされた再結成第2弾アルバム。
個人的にも↑のお二方の意見に完全同意で、HR的なエッジをグッと強調した音作りといい、曇天模様のイギリスを
彷彿とさせる湿ったメロディや、漂う重厚感といい、より日本人好みの作風に仕上がっていると言える本作。
尤も、初期MAGNUMのスタイルに立ち返っているわけではないし、ソフティケイトされた叙情HR路線は
相変わらずなわけなのだけど、そも、ここまで徹底されれば、今更彼らに初期の音楽性を求めるファンもおらんでしょう。
ややメロディに弱さの目立った(特に序盤の楽曲)前作に比べると、今回は、OPナンバーに相応しい重々しさと
劇的さを備えた①からして、掴みはOK。それ以降も、マーク・スタンウェイによる、華やかなピアノ・プレイに
心踊らされる②、欧州民俗音楽的な風情を漂わせた、寂しげなメロディ・ラインが胸に沁みる③、味わい深い
ボブ・カトレイのVoが映えるブルージーなバラード④、サビメロで発散される「憂い」が強烈な⑤、ドラマティック且つ
メランコリックなアルバムのハイライト・チューン⑥・・・と、次々に繰り出されるハイクオリティな楽曲の数々に
圧倒されまくり。もちろん後半も、ラストをムーディに締める泣きのバラード⑩(国内盤のみ収録)まで、一切捨て曲なし。
まぁ、その割りに強力なキメ曲に欠ける辺りは前作と同様だが、これだけ完成度の高い作品なら、それも弱点となってはいない。
再結成後のMAGNUMの作品に触れるなら、まず本作を聴く事をお薦めさせて頂きます。