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8 / CALI≠GARI
2003年発表の、メジャーでは2枚目となるオリジナルアルバム。
このアルバムを出した後、暫くの後にバンドは活動停止になってしまいます。
「実験室」の名こそ付いていませんが、実験的な要素は以前よりも強くなったアルバムで、
「虜ローラー」「読心」などの空間全体を利用した、メロディよりも音響を重視した作品が
特に耳を引きます。これらの楽曲と「新宿ヱレキテル」「破れた電報」などの情念を込めた曲の
乖離を見るに、活動停止も仕方ないのかなぁ…と思います。その後出された秀仁さんの
プロジェクト「goatbed」の1stも買いましたが、殆どテクノになってましたし。
そんな中で、音響と情念を折衷させた名曲が「パイロットフィッシュ」。
ドワ〜とした響きの低音と破滅的かつ日常的な歌詞が不気味なほどにマッチしています。
また、音響重視以外の、バンドサウンドで聴かせる楽曲もキャッチーでない、一筋縄ではいかない
展開を持った曲が多く、全体としては今までよりも難解になった印象のアルバムです。
個人的には展開は良いんですが、このバンドの持つブラックユーモア的な部分が薄いことが少し残念。
やっぱりこういうサウンドにはあまり合わないのかな?
ムーンライダーズの鈴木慶一氏プロデュース作。
今作の特徴としては、何と言っても石井秀仁の才能の爆発であろう。
冷たいデジタルサウンドを駆使することによって、まるで機械の様な冷徹さが表現されている。
一方、桜井青も良い曲を書いているが、以前に比べるとややパワーダウン気味。
(それでも『青春狂騒曲』と『新宿ヱレキテル』は超がつく名曲。)
Usher-to-the-ETHERさんも仰るように、そんな二人の乖離が露骨に露呈している気がしてどうにも残念。
(第7実験室のときは二人が上手く調和していた気がするんだけど・・・。)
とはいえ、鈴木氏の影響なのか、音が非常に洗練されているので聴き応えは抜群。