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ヴァーティゴ2005//U2ライヴ・フロム・シカゴ(DVD) / U2
自分はU2の熱心な聴き手ではなかった。むしろ聴かず嫌いだったと言っていい。ボノ自身が「80年代の自分たちは音のデカいフォーク・バンドだった」と語っているように、こちらもそのスタンスで捉えていたので、自分の守備範囲外のバンドだと思ってた。
ところが、たまたまWOWOWで見た「ライブ・フロム・シカゴ」の演奏はどうだ(結局輸入版の安いDVDを購入した)。これはもうロックバンド以外の何者でもない。何十年も歌い続けて少し冷静になってる「SUNDAY BLOODY SUNDAY」以外は、どの曲もオリジナルのスタジオ録音よりも<ロック>していて熱い。
自分にとって、U2は最高のライブ・バンドのひとつになってしまった(ライブの方がイイという意味で)。
ライヴDVDって、結構選んで購入している。
なにせ、テレビの前にただ黙って座って映像を眺めている時間がない。
だから、本当に見たいDVDしか買わない。それをスルメを齧るように時々時間があるときに引っ張り出して、少しずつ見ている。
これも、買うまで2ヶ月ほど悩んだ。
でも買ってよかった。
少しお説教臭い瞬間とかがあるし、素直に感動するにはいささかひねくれ過ぎたなあと、汚れた大人になった自分を実感できる瞬間も存在する。そういうのはとりあえず置いておいて、プレイヤーとしての彼等は本当に格好よい。それに良い曲も多い。
新作からの曲はやはり、レベルが高い。往年の名曲群と並んでなんの遜色もない。
音楽が世界を変えると信じていても、信じていなくても、この作品は楽しめる。
ボノが言うとおり「ショウビジネス」だが、たっぷり楽しんだ後に少し自分達の居るところについて思いをめぐらせる時間を持つのもいい。
ボノは「21世紀のこの世界で、飢餓のために亡くなる人々がいるのは間違っている」と言っていたが、他にも「間違っている」ことはたくさんある。
たまにはお説教を聴くのも良いことかもしれない。
Pride (In The Name Of Love)の大合唱から、
Where The Streets Have No Nameでボノがアダムに
キスして、その場にいる人たち全員の興奮、盛り上がりが
頂点になるところは、いつ見ても圧巻。
ホントに素晴らしい作品だ。