YNGWIE MALMSTEEN/GENESIS (新譜感想)
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20-1. YNGWIE MALMSTEEN/GENESIS H・W 2002年12月15日(日)0時29分

たとえば、「これがゴッホ画伯が幼少期に描いたサルとカニの絵です」とか世間に公表されたとしたら、周囲の評価はともかく、ゴッホ自身にとっては拷問に近いほど恥ずかしいだろう。
それだけでも十分怒りが湧いてこようというものを、あまつさえ、その絵で誰かが金儲けしているとなれば、誰がどう考えても「ちょっと待てオッサン、コラ!」となる。

これは、マルセル・ヤコブが過去の音源を持ち出して小遣い稼ぎを始めたことへの対抗措置CDである。
本家(?)海賊盤「BIRTH OF THE SUN」は未聴なので、どこがどう違うのかまったく判らないが、マルセルのパートを完全に無視し、ブックレットにも殊更「じぶんが一人で作りました」的な記述がなされているところを見ると、イングヴェイは相当頭に来ているのだろう。
そういった(直接音楽性と関係ない)経緯を抜きに、このCDは語れない。語れないほど・・・クォーリティが低い。(泣)
僕は、現在のイングヴェイがすっかりなくしてしまったものの存在に期待してこのCDを買ってみたのだが、内容以前に音がぐちゃぐちゃで何を演奏しているのかすら判らない。
そのあたり、イングヴェイ本人が⑦に収録されたメッセージで「稚拙で安っぽい」と認めているが、今回の発売にあたっては怒りが恥を上回ったというところか。「流出してしまったものは仕方ない。しかしせめて、儲けは俺のもんだ!」・・・そりゃそうだ。
それでも耳を澄ませば、たとえば①など、しっかり作りこめば名曲になりそうな予感はするのだが、少なくとも現段階では「録音に失敗したSILVER MOUNTAIN」みたいだ。
そうなると、「おお、あの曲の元ネタがこんなところに」とかいう参考資料としての楽しみしか残っておらず、一応それぞれに「こっちの方が曲に合ってるなあ」とかいう各論は出てくるものの、バラバラのパズルの1ピースを手にとって評価しているような虚しさを感じる。
新録の2曲もあくまでボーナス、といった出来で、これを聴くだけの為にCDを買えとはとても言えない。
いかに初期イングヴェイのファンでも、うかつに手を出すのはキケンだとおもう。


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