JOE LYNN TURNER / THE USUAL SUSPECTS (新譜感想)
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173-1. JOE LYNN TURNER / THE USUAL SUSPECTS ひょうすべ http://diary.jp.aol.com/smqcsb6b/ 2005年6月22日(水)14時54分

後期RAINBOWにおけるジョーの貢献度は非常に高い。インギーでもその仕事能力の高さを見せてもらった。しかしソロになるとなんかモノ足りない。
どのアルバムも「悪くない」止まりなのだ。

よく考えてみれば、元々そんなにカリスマ性が高い訳でもないし、それ程器用なヴォーカルでもない。人智を超えた声量を持っている訳ではないし、異常な幅の声域も、1音たりとも外さないテクを持っている訳でもない。
来日すれば、いつもカゼひいてばかり・・・・(これは関係ないか?!)
彼の持ち味は“垣根の低さ"。そう、みんなで一緒に歌える“親しみやすさ"だと思う。
そうなると、どうしても必要なのが楽曲の質。これの良し悪しで彼の評価が決まってしまう。

その曲作りにおいても、彼の持ち味はポップセンスであって、彼の中に様式美的要素はほとんどない。
しかし、そのポップセンスは様式美と非常に相性が良く、様式美系アーティストと組めば、名盤、名曲の仲間入りができるという、ちょっとやっかいなセンスだ。

だから様式美風な曲を書けば「役不足」なのは当たり前。
RAINBOWに囚われない楽曲には「こんなのジョーじゃない」と言われる。

ジョー自身も「はやく元RAINBOWという枕詞を取りたい」と思っている反面、「元RAINBOWの肩書きがなければ食っていけない」という現実を認識しているから簡単に離れられない。
このジレンマの中で作られたソロ作はどれも、やはりモノ足りないと感じてしまう要素のひとつであると思っている。

だからソロ作を聴くといつも「早く曲が作れてカリスマ性のあるギタリストとバンドを組んでね」と思ってしまう。

そんな理由で、発売されたのは知っていたが、「今回はパスかなぁ〜」と思っていた。しかし「B!」誌にて“世界の山ちゃん"の手羽先を「世界一うまい食べ物」と評価。その結果、私と“ソウルメイト"となった為に購入(笑)

だから、全く期待はしていなかった。しかし今作は、今までと一味違う内容だ。基本的には従来の手法と変わっていない折衷案型のアルバムだが、どうやらジレンマの中、何枚も出してきた経験。それが円熟味を帯びてきたのかもしれない。HTPで、初めてバンドのリーダーとして矢面に立った事が吉とでたのかもしれない。
“ポップと様式美の融合"が今までで一番高い次元で結合されていると思う。

ただ、この路線。「もしかしたら、これ以上の作品はできないのかも?」という限界も感じたのも事実。
バンドに在籍している人のソロアルバムなら、充分及第点だが、現在これをメインにやって行くのであれば、ちとつらいか。
次作にて、私の不安をどう裏切ってくれるか期待してます。


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