HYMNS TO VICTORY 収録曲 |
MISTS OF AVALON | この曲について発言 |
2002年発表のベスト盤収録の未発表曲。 アコースティック・ギターと、何故かエンジニアのスティーヴ・ヤングが弾いているスライドギターの他は、殆どやや枯れたヴォーカルのみ。 にも関わらず、全13曲のうちで最も「平静な気持では聴けない」バラードです。 生を終える間際の人のもとに、既にこの世を去った大切な人が、その人を迎えにやって来る。 大切な人は語りかけ、やがて二人は手を取り合って、アヴァロンの彼方へ去ってゆく。 だいたいそういったイメージの曲なのですが、ギターの響きはあくまで優しく緩やかで、「人の最期が本当にこうであってくれたらどんなに良いか」と思うと、涙がこみ上げてくる曲です。 そんな最期を迎えられる保証などどこにもないのに、涙が出てきます。 私が死んだらこの曲で送って欲しいかも(いやまだ死にたくないけど)。 彼らのみならず、アメリカ人の死生観として「死に別れた大切な人と、いずれあの世でまた巡り逢える」と思っている人は多いのでしょう。 いずれまた巡り逢うその為にも、命あるうちは精一杯生きようとするのでしょうか。 前奏、最初に奏でられるギターの数音は、既にアヴァロンの音です。 この音を最初に聴いた時、エドワード・パーシノが「居てくれた」ことに無性に感謝したくなり、また涙が出ました。 使い古された言葉だけの「天国」ではなく、短くとも生き切った人でなければ行けないような峻厳さをもった安らぎのアヴァロン。 たった幾つかの音で、彼はそれを表現しました(曲も共作)。 前任のジャック・スターほどの強烈な個性は持たず、話題に登ることもない人ですが、バンドが苦しかった時代にも逃げを打たず、残ってくれた「親友」です。 生きていると、そういう人の真価を味わうこともある。 そういうことも考えさせられる、不思議な曲でした。 | 無名/バラード/哀愁 ★★★ |
tumble |