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NOTHING LASTS FOREVER / POLTERGEIST
CENTURY MEDIAから離れてしまった為、当初は日本未発売だったが、そのハイクオリティな内容が輸入盤市場で評判を呼び、
後に国内盤もリリースされる運びとなった、'93年発表の3rdアルバムにして、ラスト・アルバム。
デス・メタルの聖地MORRI SOUNDスタジオでレコーディングされた、分厚く、ギザギザにささくれ立った鑢状の
サウンド・プロダクションが過去最強とも思える迫力を誇る一方、本作を一聴して先ず印象に残るのは、
そうした攻撃性よりも、ますます強化されたメロディ重視の姿勢。
前2作にも増して、起伏に富んだメロディを歌うようになったアンドレ・グリーダーのVoが活かされた収録曲の数々は、
スラッシーな疾走感や複雑な曲展開がセーブされた分、凝ったアレンジやキャッチーさが強調されていて、特に、意表を突く
ミステリアスなミドル・チューン①や、アメリカンな空気すら漂う穏やかなバラード⑤なんて、過去の作風とはかなり異なる味わい。
とは言っても、そうした新味の楽曲のクオリティも十分高いし、何より、アコギを隠し味に使った劇的な曲展開が堪能できる⑨や、
ヘルプ参加の辣腕ドラマー、ピーター“ラビット"ハースの腕前を活かした、スピード・チューン②④⑦を
しっかりと収録する等、作品全体としてはファンの期待を裏切らない内容に仕上げている辺りは流石。
中でも②は、スラッシュ・メタル・バンドならではの激烈な疾走感と、このバンドならではの流麗なメロディが
見事に融合を果たした、劇的極まりないPOLTERGEIST屈指の超名曲。
本作は、彼らのカタログの中では最も入手が容易な作品ゆえ(中古盤の値段も手頃)、入門編に最適の1枚かと。