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A MOON CHILD IN THE SKY / 天野月子
カップリング集をカウントしないなら、4枚目となるフルアルバム。
音楽性のほうですが、前作「天龍」では作りこまれた世界観を提示してくれたのに対し、
この作品はもっと削ぎ落とし素の状態に近付いた感じで、ロック色が強くなっています。
1st、2ndに通じる音楽性を、「天龍」の経験を経てより洗練したといった感じでしょうか。
もちろん、「聲」「1/2」「花冠」など、前作に通じる重厚なナンバーがあるのも嬉しい所。
余談ですが、何故か某TSU○AYAの販促ポップ(っていうのかな?)の紹介には、「ゴシック、
ゴスロリの世界観を強く打ち出した作品」とあったんですが、どこらへんがそうなんだろ(笑)
確かにゴシックメタラーやゴスロリV系ファンにも受けそうな深遠な曲はありますが…
それだったら「天龍」の方がそうだと思うし、そもそもロリとは対極だと思うんですけど(笑)
…なんか、世間の認識との隔たりを感じます。
確かにロリっていうのはちょっと違いますね。でもゴシックっていうのは納得します。
曲スタイルや見た目がどうとかじゃなく、ゴシックの精神性というのは彼女はもっているのではないでしょうか。このアルバムでも「花冠」などの歌詞からそれが感じ取れます。もっとも、紹介文を書いた人がどういう意味で書いたかはわかりませんけどね。
アルバムですが、今までのアルバムより聞き始めは弱い印象を受けますが、ロック色が強くなっているのが嬉しいし、曲のクオリティは相変わらず高いです。彼女の歌い方も今まで以上に幅が広がっているのと、所々に入る古っぽいキーボードもポイント高いです。シングルのリミックスも、「イデア」はどうかと思いますが、「翡翠」は素晴らしい仕上がりになっています。
あと、今回のジャケットは「スターウォーズ」なんですかねぇ(笑)
第一印象は正直あまり良くなかった。
ただ、聴くほどにハマッていく。
洗練の極みのメロディと、揺るぎ無い上手さがありながらどこか隙のある歌唱が
秀逸な感触。「翡翠」「Joker Joe」「1/2-a half-」「花冠」「砂糖水」が
特に好き。ポップさが濃厚ながらどこかヒネくれている。
ボートラは意外と凝っているが、力の抜け具合が素っぽくて良い。
アートワークはちょっと謎ですが(笑)まー似合ってるんじゃないですか。
彼女の最高に魅力的な音楽を内包した、まさに「天野月子 = A MOONCHILD IN THE SKY」な最高傑作。
正直、「捨て曲なし」度では前作の方が上だと思う。が、このアルバムは「名曲」度が今までの比じゃない!!
1stには「青紫」、2ndには「人形」、3rdには「蝶」と、これまでもアルバムを代表する名曲はあった。
しかしこのアルバムには、ポップス面の超名曲「1/2 -a half-」、問答無用の至宝「聲」、そして最高傑作「花冠」といった素晴らしい音楽が同時に収録されているんです!!
他の曲もイイ味出してて、地味ながら相変わらず佳曲も多い。「砂糖水」なんかはその典型でしょう。
ポピュラーミュージックとして、非常に魅力的な一枚。ホント、他の女性J-POPアーティストを圧倒していると思う。
上質なアルバムだが「聲」でピークを迎えて(というよりこの曲のインパクトが強すぎて)
その後失速した感じがある。
何れにせよ最近の女性アーティストの中では面白く聴く事が出来た作品である。